632:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/12/01(木) 01:02:12.76 ID:Jtad6Kino
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「朝ごはん買ってくるー。角にカフェあったじゃん。朝カフェとかビジネスパーソン(笑)ぽくない?」
きっと彼女の頭の中では、読めもしないニューヨークタイムズが広げられているのだ。
「うんうん。ぽいぽい。俺、ツナサンドね」
ズボンのポケットを探ると、500円玉が入っていた。
それを志乃に渡す。
「うああ、ぬるい。硬貨が人肌だよう」
「懐であたためておきました」
「じゃ、ちょっと行ってくるー」
彼女は休憩室に財布を取りに戻り、出ていった。
出ていこうとしたところで振り返り、
「ねえ、こうやってお財布だけ持ってビルから出るのってOLっぽくない?」
と言った。なんでそんなに楽しそうなんだ。
「うんうん。それっぽい」
志乃が元気だと安心する。
見送って一人になると、やっぱり事務所は静かで広くて、心細かった。
この際あの子猫でいいから、そばに居てほしいと思った。
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