663:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga ]
2011/12/20(火) 00:07:30.76 ID:QVy98VUmo
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「夢で会ってらっしゃい」
彼女は僕に立てた指を突きつけながら命じる。
「さっきまで寝てたのに……」
「俺、眠くないですよ」
自分が完全には自分じゃないと告げられて、混乱している。
今はまだ飲み込めないでいるが、そのうち自我が揺らいで不安でたまらなくなるのかもしれない。
僕はまだ、そういった「仮定」や「予測」に対して恐れている。
祟られている当事者の自覚はできたけど、そのへんの危機感は薄い。
「寝なさい」
「仮に会えたとしても、あの猫、触らせてくれないんですよ」
「じゃあ、これを持っていくといいわ」
「持っていくったって――」
僕が言うのを無視して、彼女は上を向き、自分の手を口に突っ込んだ。
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