689:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/01/03(火) 23:12:11.78 ID:BE+L0ksLo
44
―――――土曜日・昼・車内―――――
僕は一旦帰宅して、一泊分の荷物を準備した。
家族には泊まりになると告げた。
お義姉さんには、山に入るのだから上着を持ってこいと言われた。
まだ九月でピンとこなかったけど、従った。
それで僕は今、後部座席で志乃と揺られている。
「義弟のお母様のルーツは、そう遠くなかったわ」
鞄を探り、畳んだ地図を僕に渡す。
見ろ、ということらしい。
隣県との県境にある山に、印があった。
「山じゃないですか。もっとこう、城下町みたいなんじゃないんですか」
なるべくなら、人里から離れたくない。
生活から遠のくほど、不条理で超自然的で、僕の理解を離れた場所に入ってしまう気がした。
1002Res/521.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。