701:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/01/10(火) 00:43:43.41 ID:JVYMT+F4o
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玄関の前に、お義姉さんが車を回してきていた。
彼女が車に乗るよう促したので、僕はそうした。
「遅かったわね。これからのこと考えたら仕方ないけど」
「やっぱり怖いですけど、このままじゃ俺、もっと悪いことになるんですよね……。
それなら、今なんとかしようって決心つきました。怖いけど」
「ヘタレなんだか勇敢なんだか……」
お義姉さんはつぶやくと、そのまま数分車を走らせた。
車は山道に少し入ったところで止まった。
「その荷物は置いていきなさい」
車を降りようとした僕を、お義姉さんがリュックをつかんで制止した。
「遭難とか熊とかどうするんですか」
「あの世の入り口に、そんなんあると思う?」
「それは知りませんけど」
「今回は特殊なの。山歩きとは違うのよ」
「あまりごちゃごちゃ持ち込まないほうが、早く会えるってことですか」
「早いかどうかはわからないけど、いらないものが多いといつまでも会わせてもらえないわね」
僕は荷物を背中からおろして、助手席に置いた。
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