726:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/01/23(月) 23:52:50.50 ID:Qd1bhCzI0
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振り返っても、水気をたっぷり含んだ夜気と闇で、靴はどこにも見当たらなかった。
いくら今の僕が夜目が利くといっても、遠くまでは認識できない。
あそこから何秒全力疾走したか、自分でもわからなかった。
引き返すか、進むか。
どちらも恐ろしく、どちらも嫌だった。
舗装されているとはいえ、粗いアスファルトを踏む足の裏はごつごつと痛い。
足裏で地面の凹凸を感じるだけで、ふくらはぎ、すね、膝まで疲労が襲ってくる。
僕は大きくくしゃみをした。
寒いと思った。
昼はまだ暑いが、夜になればしっかり秋だ。
夜の、秋の山。
動いていなければ寒さで余計に気力がなくなりそうだ。
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