756:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/02/12(日) 23:46:51.86 ID:adFOyhlS0
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「うにゃあ」と子猫は悲痛な声を上げた。
「ああああああああああああああああ!」
彼女の消える様から、目を逸らしてはいけない。
僕は袖で涙をぬぐいながら、彼女を見送る。
「男だろ! お前の母ちゃんはもう苦しまなくていいんだ! 何も恨まなくていいんだよ! 辛くても見送ってやれよ!」
もう、自分に言っているのか子猫に言っているのかわからなかった。
女が振り向く。
「もうすぐ夜が開ける。お前をふもとに下ろしてやろう」
礼を言いたかったが、嗚咽で言葉にならなかった。
僕の体も光に包まれる。
お互いの姿が、見えなくなっていく。
意識が遠のいていく。
「娘を、よろしく」
(娘!?)
最後の最後に衝撃の事実を知らされながら、僕は気を失った。
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