819:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/04/30(月) 11:42:08.03 ID:c0WcDUFg0
100
―――――月曜・朝・学校―――――
軋む体をどうにか動かして、僕は無理やり登校していた。
足の裏なんか、冷静になって見返してみると小さい擦り傷だらけで歩くのが億劫だった。
それでもなんとか遅刻せず、席についたときは達成感すら覚えた。
「あー、俺がんばった。超がんばった。帰っていい?」
「だめー」
「何やりきった感出してんの」と志乃は笑う。
僕の指には、お義姉さんから返された指輪がはまっている。
「あの二人、大丈夫かな」
志乃が上木さんの席のあたりを見やって言う。
「まだ来てないな」
廊下側の後ろの席。まだ空いていた。
少し離れたところに座る神田さんは、いつもどおり本を読んでいた。
あんなことがあっても、傷ついても悲しんでもいないようだった。
1002Res/521.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。