過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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645:ほむマミ派 ◆CuwcoLXTJ2[saga]
2012/11/02(金) 22:15:34.47 ID:GlYSRWMPo



 リビングヘ入ると、母がダイニングテーブルに座ってぼんやりとし、父は夕食の準備に追われているところだった。

 どちらに声を掛けていいのかわからない。 まどかは、自分がいつの間にか、救い難いほどの愚か者になってしまったと感じる。

「どうしたんだい、暗い顔して」

「ううん、なんでもな……くはないや。 ママ、体調はどう? ……顔色は悪くないみたいだけど」

 それなりに上手く言えた。 できれば、沈黙は短い方がいい。

「ああ……アタシは良い娘を持ったもんだねぇ……」

 手を目元に当て、すかさず泣き真似を始める母。 これは笑っても大丈夫なはず。

「もうっ、真面目に訊いてるのに……」

「大分良くなったよ。 これも、家族みんなが支えてくれたおかげだ」

 泣きの演技をあっさり手放し、母は揺るぎない眼差しでまどかの方を見据えてきた。 視線の力強さに正直ほっとする。

 でも、甘えてはいけない。 なのに、今のまどかには甘えることしかできない。

「……まどかの方こそ、どうなんだい?」

 母はマグカップをもてあそび、うっすらと笑みを浮かべつつ、問い掛けてきた。

「どう、って言われても……」

「こんなこと言いたかないけど、日曜だってのにいい若いもんが籠もってて良いのだろうか? いや、良くない。 カビが生えちまうよ?」

「ママ……」

 まどかが口にしたのとほぼ同時に、父がこちらを見ることなく、母をそう呼んだ。 棘はないけれど、聴いたことのないトーンだ。

 それに対して、母は何も言わないし、父の方も見なかった。

「あの……ごめん……」

 沈黙を埋めるため、まどかは謝ってしまう。 良くないことだ、と自覚していても、謝ってしまう。


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