過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/10/23(日) 11:23:35.18 ID:0+JoybrIo

――いつからだ?

 一体いつから、そんなさやかの姿に憧れを抱いていた?
 彼女のように誰かのために戦いたいと、そう思えるようになっていた?

 きっかけは教会でさやかが告げた言葉だ。
 皆と共に幸せになる。彼女は自分にそう言った。
 杏子には出来なかったことを、彼女は実現してみせると宣言した。
 もっとも彼女はそれから挫折をし、絶望し、魔女へと至ったのだが。

 バカヤロウ(魔術師)と大バカヤロウ(上条恭介)が、条理をねじ伏せて地獄の底から彼女を引きずり上げた。
 そうだ。彼らと共に、さやかは紆余曲折を経て幸せの絶頂まで上り詰めたのだ。
 家族を失い絶望した自分と違い、彼女はたった一度の絶望などでは諦めなかった。
 ふたたび希望を夢見てまだ見ぬ道を行こうと決心したのだ。

 そのさやかが今再び危機に瀕している。誰かのために戦うことすら出来ない状態にある。
 憧れの存在が何も出来ずにただ歯痒そうにしている姿を見た杏子は、心の奥で決意した。

杏子(……なぁ、さやか)

杏子(アンタにゃ良い夢見させてもらったんだからさ)

杏子(そのお礼としてはなんだけど……)

 さやかを縛り付ける、不条理な運命の鎖。
 それが無ければさやかはどうしただろうか。考えるまでも無い。
 彼女なら、必ず誰かのために戦おうとしただろう。

杏子(アンタの代わりに、精一杯頑張ってみるよ)

 全身が強張る。
 それは恐怖から来るものではなく、勇気から来るものだ。
 体の隅々まで魔力を行き渡らせると、その流れを緩やかに、しかし力強く波打たせる。
 これまでだってなんとかやってこれたのだ。今度だって上手くいけるはずだ。

 目を見開くと、杏子は全身を流れる魔力を限界ギリギリまで解放した。


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