過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/10/23(日) 11:23:03.65 ID:0+JoybrIo

杏子「うらああぁぁぁぁぁッ!」

 掛け声と共に槍を引っ張る。
 だが拘束された魔女はびくともしない。

杏子「はああぁぁぁぁぁぁッ!!」

 両腕の筋力を魔法で強化。槍を引っ張る。
 もちろん魔女はびくともしない。

杏子「ふんぬぅぅぅぅうぅううぅうッ!!!」

 両足と腰を魔法で強化。体重を掛け、綱引きの要領で槍を引っ張る。
 それでも魔女はびくともしない。

 その時。
 不動を保っていたワルプルギスの夜が、目障りなハエでも見るように――と言っても目はないのだが――顔を向けてきた。
 たったそれだけの動作なのに、杏子は呼吸が苦しくなるのを感じて無意識の内に目を閉じてしまう。

杏子(やばっ……これ不味いヤツじゃん……!)

 敵意はない。殺意もない。
 その代わりに、おぞましく、恐ろしく、醜悪でいて邪悪な気配が杏子の体を包み込んだ。
 まるで死者の嘆きや憎しみの声が耳に届き、その爛れた手がまとわりついているようだった。
 杏子が静かに肩を震わせる。

杏子(なにやってんだよアタシ、普通だったら尻尾巻いて逃げるトコだろ!)

杏子(アタシらしくないじゃん。誰かのためとか、そんな甘っちょろいことぬかしてくたばるとか――)

 ギリッ、と歯を食いしばる。

杏子(……でも、さやかだったら戦うんだろうな)

 ブチッ、と右腕の付け根辺りから何かが千切れる嫌な音がした。

杏子(あいつのお人好しっぷりと言ったらもう笑うしかないよね)

 ググッ、と両手に握る槍が、わずかに動いた。


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