過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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(神奈川県)
[saga]
2012/01/29(日) 01:53:09.65 ID:i6zqtpqjo
―――ワルプルギスの夜が、限界寸前まで溜め込んだ“力”の塊を解き放った。
それはこれまでに何度か行ったことのある、口から吹き出る炎などとは比べ物にならない破壊の力だ。
その極彩色の輝きは、魔術・魔法サイドが戦線に投入した戦力の中でもっとも大きな存在、
極東一の聖人という威光を“神裂キゴミ”から譲り受けた神裂火織を一撃の下に叩き潰し、
今なおその意識を暗澹に臥せる規模の物だ。
ヘクセン アテム
光にも、炎にも、氷の結晶を含んだ吐息にも似た≪魔女の殺息≫が暗雲の下、
ステイルを、その後ろにある見滝原市の中心街を、市民の避難した体育館を捻じ伏せるために奔り抜ける。
その力の奔流が、炎を吐き出し続けるルーンの壁にぶつかって衝撃波を街中に撒き散らした。
周囲に展開していた魔術師がその煽りを受けて一人残らず転倒し、吹き飛ばされる。
空を飛んでいた魔女も荒れ狂う大気を御しきれずに薙ぎ払われる。
当然ながら、それはワルプルギスの夜の近くにいた天草式とて例外ではない。
各々の得物を地面に突き立てて“準備”をしていた者たちの内、小柄な香焼が転んだ。
そのまま風に流されそうになるのを寸でのところで押し留められる。
槍を分解して各部を鎖状にした杏子が縛り上げ、その身を捕まえていた。
杏子はその威力に眉をひそめ、肩を震わせながら口を大きく開く。
「――ホントーにこれ、凌ぎきれんのかよ!?」
片手間で準備を推し進めていた建宮が身を乗り出し、
「凌ぎ切れなくても準備は続行するのよな、仮に街が吹き飛んでもコイツだけは倒す……!」
「だから今は“整形式”の準備に専念しろ――――!」
吼えるように叫んだ。
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