過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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712:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/02/14(火) 00:47:35.93 ID:aqVyypvoo

 いびつな弓へと変化したバックラーの外郭がほむらの動作に応えるように光り輝く。
 歯車がからからと回って外郭が動き出し、ほむらの手のひらの側に潜り込んできた。

 まるで掴めと言わんばかりに手元に差し込まれたその弓を、ほむらは慣れた手つきで握り締める。

 同時に上下両端に位置する歯車から淡い輝きと共に光の弦が真っ直ぐに伸びて繋ぎ合わされる。

 淡い、膜状の光が弓全体を覆い尽くし――表層に装飾が施され、見栄えが整えられた。
 ほむらに与えられた新たな力、新たな武器である『機械弓』の完成だ。
 ちょうどアーチェリーに用いられるコンパウンドボウのように見える。
 そんな物騒な得物を見て、ほむらは静かに笑みを浮かべた。

「まどかのと比べるとちょっとゴテゴテしてるけど……まぁ、悪くはないわね」

 現代版魔法少女、ここに誕生。とかそんな気分である。
 弓の握り手――ハンドルをしっかりと握りなおしながら、ほむらは手の甲を空へ向けて弓を水平に構えた。

 手の甲側には、弓と手とを固定するために形を変えた一回り小さくなったバックラーがあった。
 ほむらはそのバックラーの中心部、薄いガラス状の防壁を右手で触れて解除する。
 そして露になった、砂粒の大半が傾ききっている砂時計に右手をかざした。

「……あなたにも、世話になったわね。お疲れさま」

 まるで長年の相棒を労わるように、優しく撫でて。

「でも、これで最後よ。あなたに力を借りるのも、ワルプルギスの夜と戦うのも――きっと、これで最後」

 右手に力を込める。
 ソウルジェムが輝き、砂時計が輝き、砂粒が輝き、バックラーと弓が輝き――


 気がつくと、ほむらは右の手で『光』を握り締めていた。

 ワルプルギスの夜を撃破するための、狂った時間の迷路から破壊するための力。

 狂った時間の迷路を作り出した、すでに失われた魔法の源である砂時計の力を帯びた『矢』だ。



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