過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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713:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/02/14(火) 00:48:42.36 ID:aqVyypvoo

 ほむらは再度ハンドルを握り締め、右手の矢を機械弓へとつがえる。
 口から炎の息吹を漏らすワルプルギスの夜を見据えて、一度目を閉じ、

「ふっ……!」

 短く息を吐き出して弓が引き起こされて、一気に矢を引き絞った。

 機械弓がぎりぎりと形を変えてしなり、滑車から弦が引き出され、弦がきりきりとキツく鋭く研ぎ澄まされていく。

 だが、まだ足りない。

 今日まで積み重ねた時間を考えれば、もっと力を込められる。

 八つ当たりになろうと構わない。威力に関係なかろうと知ったことではない。

「腑抜けた一撃で、全てを終わらせたくない……!」

 その言葉に応えるように連結部分が延び、前面へせり出している弓部がさらに前へ前へと前進を始める。
 弦が鳴らし出す不協和音が見滝原市中に響き渡り、崩れたビルに反響して伝播されていく。

 その残響を聴きながら限界まで引き上げられた張力に右手と左手を震わせていると、

「これで……本当に……!」

 ワルプルギスの夜から、炎の息吹が吐き出された。
 即座に狙いを炎に合わせ、

「――――終わりよ!」

 ほむらは矢から右手を離した。
 同時に、戒めを失った光の矢が解き放たれる。

 それはほむらの力と相まって、目の前まで迫っていた炎の壁をいとも容易く貫き、余波を以てかき消した。
 遅れてようやく反動によって鳴らされた弓の音が耳に届いて――

 ワルプルギスの夜の手前まで迫っていた光の矢は、無数の光の雨に分裂した。



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