過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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834:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/03/01(木) 02:13:17.22 ID:nPimD933o

「……やっぱ限界だよアンタ、大人しく結界から脱出する方法を考えよーぜ」

 魂を貪るような怨嗟の声の中に、自分を心配してなお叱責する声が聞こえる。
 その事実に心のどこかで安堵しながら、ステイルは膝に力を込めた。
 歯を食いしばり、背筋を活かし、神経を研ぎ澄ませ、血潮を滾らせて立ち上がる。

「なんで立つのさ? もう十分繰り返して、それでもダメだったじゃないか」

 その通りだ。ぐうの音も出ない。
 ステイルは幽鬼のような自分の影を見つめながら、それでも一歩前に踏み出した。

「アンタが言ったんじゃないか!
 あれはほむらだって、絶望しちまったたくさんのほむらだって!
 なのになんで立つのさ、おかしい、アンタは頭がいかれちまってる! どうして攻撃できるのさ……!?」

 それは自分に言い聞かせてるいような声色だった。
 未来を奪われた少女達に同情し、どうにもならない状況を前に諦めた自分を慰めるような口調だった。
 そして同時に、心の奥底からステイルの行動を不思議に思っていることの表れでもあった。

 何故立つのか。

 くだらない疑問だ。

 杏子の視線を背に受けながら、ステイルは静かに歩み始めた。

 そして彼女に背を向けながら、その疑問に答えるために口を開いた。



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