過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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886:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/03/18(日) 02:10:52.84 ID:HhynQx1uo

 ――事前に覚悟していたような、分かりやすい苦痛は訪れなかった。

「……っ」

 ただ身体中が焼けるように熱く、砂袋を何重にも背負ったような重圧が身体に圧し掛かっていた。
 それ以上のことは、まどかには何も分からなかった。
 痛覚が麻痺しているのか、それとも夢の中なのか、それすら分からない。

 ただ彼女は立ち上がれと自分の身体に命令を下して、身体がその命令に応えた。それだけでも十分だった。
 ぐっしょりと赤い血で湿った靴ごと、右足を一歩前に運び出す。次は左足。右足。

「どうして?」

 耳に届く疑問の言葉。
 声のする方に体を、目を向ける。
 その先には小さく白い、キュゥべぇの姿があった。

「どうして君はそこまで出来るんだい?」

 どうして。
 考えるまでも無い疑問に対し、それでもまどかは優しい笑みを浮かべて返答した。

「私が、そうし、たいから……ほむらちゃんのこと、助けたい、から」

 体が熱い。

「わた、し。見たから……あなたと一緒に、あの光、の……向こ、で」

 でも歩みは止めない。

「ほむら、ちゃ……これまでの、ぜんぶ、見たから」

「それじゃあ君は、本当にあれを見たのかい?」

 こくりと頷いて、肯定する。
 この場所を訪れる前。光の流れに身を任せた時。まどかは『彼女』の全てを見た。

「ぜんぶ……見たよ」



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