過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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(神奈川県)
[saga]
2012/05/28(月) 02:54:42.41 ID:9M6RkmvRo
――奇跡などでは、断じてない。
灰色に淀んだ世界の中心で、インキュベーターはそう判断した。
つぎはぎの魔女を抱き締めるまどかの後姿を見ながら、
その決意と勇気に動揺する素振りを見せることなく。
当たり前の事実であるかのように、ごく自然に頷いて。
――先ほどまで見せていたまどかを咎めるような態度は、既にその面影すら無い。
赤い瞳を忙しなく動かして、インキュベーターは再度目の前で起きた現象を分析する。
分析して、やはり同じ判断を下した。おかしなことは何も起こっていない、と。
インキュベーターの介入無しに、個人の意思が宇宙の真理を覆すようなことはありえない。
どれだけハッピーエンドを望んでも、宇宙を構成する絶対法則を破壊することは出来ない。
鹿目まどかは奇跡など起こしていない。
条理を覆してもいない。
これは起こるべくして起きた必然だ。
あの魔女の性質――嘆くことすら奪われた暁美ほむら達の欲する物を考えれば、合点が行く。
生前に全てを奪われたからこそ、魔女は欲した。
何も無い自分に対して向けられる、偽り無き好意を。
ほむら達の遺志とも呼べる感情、プログラムがそのように駆り立てたのだろう。
ゆえに、魔女に対して殺意と敵意のみを抱いていたステイルが弾かれるのは当然の結果だ。
だからこそ、魔女のことを想う者、すなわち条件に見合うまどかならば触れることが許される。
時間を捻じ曲げる魔法の壁を乗り越えて、彼女は魔女のお気に入りに選ばれた。
(だけど、それで全てが解決するわけじゃない)
その事実に思い至ったインキュベーターは、思考を一旦中断しようとした。
得られた事実をまとめ直し、そこから先、これから何が起こるのかを予測するためだ。
だからこそ、インキュベーターは困惑した。
思考の中断を行う際、わずかなノイズが生まれたからだ。
それは湖面に生まれた波紋のようなわずかなノイズだ。
発生する原因が存在しない不可思議な雑音だ。
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