過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 02:55:10.10 ID:9M6RkmvRo

 ……熱い。

 ノイズだけではない。
 エラーも混じっている。
 今結界の中にあるこの個体のどこか、何かが異様に熱を帯びている。
 だがその何かが分からない。原因を探るために意識を深く沈ませていく。

 身体に異常は見受けられない。負傷もしていなければ魔術や魔法を浴びせられたわけでもない。
 他の個体とデータを比べても差異はなく、ステータスに異変を見つけることが出来ない。
 とすれば、これはなんだ。
 一つの個体が情報を得すぎたことで生まれた情報の齟齬だろうか。
 あるいは時空を歪ませる魔女の結界内だからこそ生じたバグだろうか。
 ここは最悪の魔女結界。いかなる魔術師でも外部との通信を行うことが出来ない牢獄だ。
 いかにインキュベーターと言えど、外部との情報のやり取りに異常があっても不思議ではない。

 今はそれよりも、この先に何が起こるのかを推測した方が良い。
 インキュベーターは自身の不具合について、そのような結論を下した。

 だが、熱い。燃えるように熱い。

 一個体の異常がインキュベーター全体の思考をかき乱す。何かが訴えているのだ。

 熱い、熱い、と。

 情報の齟齬から生まれる、単なる異常では説明が着かない現象だ。
 ノイズから始まったエラーは、いまやインキュベーター全体に影響を及ぼし始めていた。
 身体以外のどこか。インキュベーターとしての意識以外の何かが打ち震えている。
 どうしていいのか分からずに、ただ衝動に任せて燃え滾らせている。

 知っている。

 インキュベーターは知識として知っている。

 インキュベーターとは縁の無い“何か”が燃え上がる現象を。

 しかし――何故?



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