過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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952:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 02:59:20.41 ID:9M6RkmvRo

「……まどかを取り込むつもりか、あの魔女は」

 目の前の悪夢に対し冷静に言葉を紡ぐ。

 つぎはぎの魔女は、己の領土を増やすだけでは飽き足らないようだった。
 魔女は咄嗟に自分から離れようとしたまどかの左手を自身の左手で掴む。
 そして熟し切った果実か、高熱を浴びて歪み爛れたかのような左手に、まどかの左手を沈めていく。
 おぞましい音を立てながら。
 魔女は荒々しく取り込んでいく。

 もはや彼女達は、二人ではなく。
 一人と一体ですらない。

「っ、ほむらちゃん、ステイルくん――!」

 悲鳴が途絶える。
 まどかの表情は見るからに強張り、明らかに異常な反応を示している。

「これじゃあもう契約は無理じゃないかな」

 感情を宿したくせに、いつもと変わらない調子でキュゥべぇが状況を補足した。
 呆然と立ち尽くすステイルの目の前で、彼女達は一つになりかけているのだ。

「……参ったな、本当にこれは、どうしようもないじゃないか」

 そんな非情な光景を目の当たりにすると、ステイルは疲れ切った声でそう言った。

 手の打ちようが、無い。状況を打開するための秘策が、完全に無くなってしまった。

 敵に痛手を加えること、それだけならあるいは可能かもしれない。

 それでも、それだけだ。
 あの魔女――着々と魔力を慣らし、もはや聖人すらも凌駕した領域にいる魔女を倒すことは出来ない。
 恐らくこのまま傍観していれば、ワルプルギスの夜など相手にもならないほどに強大な魔女になることだろう。

 これまでの戦いで得られた勝利は、幾人の努力という必然の上に成り立っている。
 美樹さやかの時はローラ・スチュアートによる強大なバックアップがあった。
 ワルプルギスの夜の際は『人間の魔女』や天草式、杏子たちの働きがあった。
 魔女自体は復活を果たしてしまったが――今度はほむらが、ルールの穴を突いて完全に撃破してくれた。



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