過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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(神奈川県)
[saga]
2012/05/28(月) 03:02:22.55 ID:9M6RkmvRo
「なんだよこれ……?」
杏子の言葉にステイルは後ろを振り返った。
疲れているのか彼女の表情は苦しげに見える。
だがそれだけだ。混沌を焼き尽くす炎に飲まれながら、彼女は火傷一つ負っていない。
「別にそう驚くことじゃないだろう。確かにこれは少々不思議で多々胡散臭い術式だけどね」
言いながら、その場にしゃがみ込んで地面に手を当てる。
そして懐に残る一〇三枚――最後のルーンのカードを貼り付けながら話を続けた。
「術式は基本的にある一定の法則によって発動する仕掛けになっている。
これにはよく神話や聖書の伝承が用いられてね。理由は単純に法則を見つけ出すのが面倒だからだが」
そこで口を噤み、炎の向こうで悶える魔女を見た。
まどかに異変は見受けられない。彼女はあくまで苦しい表情のまま、耐え凌いでいる。
「……もちろん、その法則を無視して発動できれば良いのだけどね。
そんな化物じみた行いはどれだけ魔術の知識を集めたところで不可能だ。
魔神でも、せいぜい即座に法則を見つけ出してその場で伝承と照らし合わせた術式を構築するのがやっとだろう」
もっとも、扱う魔術の“時代”が異なれば話は別なのだが。
この世に居るのか居ないのか分からない存在の顔を思い出して、ステイルはほんの僅かに手を止める。
だが次の瞬間にはかぶりを振って考え直し、ふたたび手を動かし始めた。
「僕が今回引っ張り出したのは、十字教でもなければ北欧神話の伝承でもない。
それどころかまともな“伝承”でも、まともな“神話”でもない。まともな“教え”ですらない――単なる物語の、一事件さ」
他の神話や伝承とは何もかもが違う、まったく出自の異なる新しい伝承。
二十世紀初頭に生まれ、今なお成長する完全に架空の幼き神話体系。
幾人もの綴り手が生み出す、未知への恐怖を題材にした物語。
物語はあまりにも隙だらけで無駄だらけだったが――十字教や多神教の伝承と渡り合えるほどに、洗練されていた。
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