過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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958:回線が重いので若干投下遅れます[saga]
2012/05/28(月) 03:04:15.45 ID:9M6RkmvRo

「事件って……なによそれ? じゃあこの魔術はなんなのよ?」

 さやかの声が聞こえて、ステイルはほっと一息ついた。
 あの光景を目の当たりにして絶望していたら、今度こそ本当にアウトだったかもしれない。

「これは南の魚座の恒星に幽閉された、火の首領が関わるエピソードを用いた術式だ」

 その創作神話において、火の首領は恒星から地上に呼び出された。
 そして火の首領は敵対する“地”の神が棲まう宿たる森を配下に命令して焼き尽くした、そういう事件だ。
 それがステイルたちを傷つけず、かつあの魔女を苦しめる炎を生み出す要因だった。

「本来は恒星が地平線上に位置するのを待って、火の首領が暴れた森で使わなければならないのだが……」

 森にこちらへ来い、と言うのはあまりにも無理がある。その逆もまた然りだ。
 だから代用する。

「南の魚座は位置と『水』で、恒星の熱量は……かなり見劣りするが、『太陽』の意味を持つルーンで」

 意味を持つと言っても、実際に太陽を発現できる訳ではない。
 この距離、体力では小さな炎を生み出すのが精一杯だ。

「暴れた森は、この見ようによっては巨大な大樹にも見えない場所を森に見立ててね」

 せめてその土地の木々や木の葉、土があれば話は別だが、あいにくステイルはその森の名前を知らなかった。
 そもそもこんな術式を使うことになるとは思っても見なかったのだから仕方ないのだが。

「……だけど属性は、最高の物を用意出来た――いや、用意してくれたと思っているよ」

 属性。
 それが無ければ今回の術式はただの火事か火の粉で終わる可能性が大いにあった。
 だからステイルは感謝したのだ。
 あのつぎはぎだらけの魔女とめぐり合えた、その幸運に。



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