過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」2<br>
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973: ◆v2TDmACLlM[saga]
2012/03/10(土) 23:23:48.01 ID:CXdAdGKN0




浜面「――ッ!!」

ザザァッ!と砂利が跳ねた。
倒れる絹旗を間一髪で抱きとめ、そのまま砂利の上に倒れ込む。

受け止めた少女の体は全身の力が抜け、小柄だというのに死体の様に重く感じた。

絹旗「は、はは……我慢するの、超辛いですね。これ」

浜面「絹旗……なんで」

絹旗「かけてくれたジャージに、突っ込んでたじゃ……ないですか。
   浜面こそ……あれ、自分のですか? もう、何回も……超聴いていたようですが」

ディスプレイに小さく映る数字は25と表示されていた。
それは勿論浜面の持つ幻想御手ではない。
昨夜、施設防衛の直前に絡んで来た不良から回収した音楽プレイヤーの一つだった。

絹旗「私も、超眠っちゃうんですかね……一昨日の、風紀委員の親友さん、みたいに」

浜面「…………っ!!」

絹旗「二度と目覚めなかったりするのは……流石にヤ、ですね……ははは」

ぎこちない笑みで浮かんだその言葉に、浜面は答える事が出来ない。
その通りだと、答える事なんか出来るはず無かった。

ただ少女の肩を力一杯抱き締め、堕ちそうになる体を支える事しか出来なかった。

浜面「なんで……使えばこうなるって、分かってたんだろ……っ!!
   お前まで眠っちまったら――」

震える声は最後まで紡げない。
今にも意識を落としてしまいそうな少女の視線はどこにも定まっておらず、
何かを思案するかのように虚空を仰いでいた。


絹旗「…………前に、浜面に普通の女の子みたいだって……言われた事、ありましたよね」

浜面「……え?」

絹旗「あの時、私……ほんとは超嬉しかったんです」

浜面「絹旗……? 何を、」

絹旗「きっと、そう言ってもらえるのって……私たちからしたら超嬉しい事で……きっと、超幸せな事なんでしょうね」

浜面「……っ」






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