過去ログ - QB「魔法少女になってよ」らんま「てめー、ぶん殴られてーか?」
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52:らんまマギカ4話7 ◆awWwWwwWGE[sage]
2011/10/02(日) 14:43:33.03 ID:JUrskdvQ0
今から魔法少女として契約してもらおうというのにそれを知っていたとすれば、後々不信の原因になるだろう。

知らなかったことにした方が何かと都合が良い。

「そんなことより、おめーに叶えてほしい願いがある。」

「なんだい? この間の願いはナシだよ。」

もちろん、らんまの願いが何かは分かっている。

それでもキュゥべえはしらをきった。

なるべく、誘導されたという印象を与えず、自分の意思で決めたと思わせなければならない。

そうでなければこれまた後々の不信につながるし、誘導された願いではどうしても魔法少女としての力も弱くなる。

「てめー! この状況でオレの願いが分かんないのかよ!」

らんまが激昂する。

「ボクには人間の考えは分からないよ。ちゃんと、キミの願いを口に出していってくれないと叶えることもできないしね。」

また適当にはぐらかされるのかと思い、らんまはますます憤った。

「うるせぇ! 何でも叶えられるなら、あかねを…天道あかねを治してみろよ! 事故の前みたいに不器用で、
意地っ張りで、かわいくねー元のあかねを返してくれよ!」

らんまはキュゥべえをつかみ上げ壁に押し付け、ヤンキーがカツアゲでもするような体制で願いを言った。

しかし、キュゥべえはみじろぎもせず、平然とその何を考えているのか分からない顔をらんまに向ける。

「契約したら魔法少女になって魔女と戦わなきゃいけないんだけど、それは構わないのかい?」

「妖怪退治は武闘家のつとめだ。その程度構うかよ!」

らんまはキュゥべえを壁に押し付ける力をさらに強める。

早くしろとせかしているのだ。

キュゥべえは、やれやれと呆れたような態度を装ってから、おごそかに口を開いた。

「おめでとう、キミの願いはエントロピーを凌駕した。」

その言葉と同時に、らんまは急に体全体が痛くて熱いような感覚におちいり、力なくキュゥべえを手放す。

そして、らんまの体の中から光に包まれた緋色の宝石が生まれ出て宙に浮かんだ。

「受け取るといい、それがキミの運命だ。」

らんまはその宝石をわしづかみにするように右手につかんだ。

不思議と体の痛みが治まり、同時に宝石を包んでいた光も消えていく。

「…これは?」

「それはソウルジェムと言うんだ。これかららんまには、このソウルジェムを使って魔法少女に変身して
魔女と戦ってもらうよ。」

「ふーん」

らんまは興味なさげに言った。

「そんなことよりも、あかねは本当に治ったんだろーな!?」

「キミの魔翌力とあかねの重症具合だと一瞬で全快ってわけにもいかないけど、一週間もすれば完治だと思うよ?」

キュゥべえはけろっと『完治』という言葉を出した。しかもたったの一週間で。

医者がよってたかっても生命維持がやっと。意識を取り戻す可能性すら無いと言っていたのに。

らんまはまだ魔法少女について説明したげなキュゥべえを無視してあかねの病室へと駆け出した。

力任せに扉を開け、上履きで強引に走り、息を切らしたまま病室のドアを開ける。

「あかねぇ!」

看護士の制止をふりきり、むりやりにあかねのそばに行く。

あかねはただただ静かな吐息をもらしていた。

ふと、その吐息の中に小さなノイズが混ざる。


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