過去ログ - とある未来の通行止め その2
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819:ブラジャーの人[saga]
2012/02/15(水) 21:08:32.94 ID:hHAsBREZ0

「あのう、これどうやって留めるんですか?ってミサカはミサカは難解なボタンに悪戦苦闘してみたり…」
「まぁまぁ、お待ちください。引っ張るととれちゃいます」

若い女性店員三人にかしずかれるようにして、打ち止めは慣れないドレスに袖を通していた。

「よくお似合いですよ。でもせっかく着て頂いたのに、雨模様で残念ですね」
「空までお二人に嫉妬されたんですわ」
「本当に…。ほら、青にして良かったと思いますでしょう?御坂様はお若くて可愛いから、派手な色が映えますこと」
「あはは…」

採寸の時もこの三人に担当してもらった。そのためか、とても気安い。だがそれは自分に好感を抱いてくれていることが見てとれて、気分が良いものだった。

「さぁできました。鏡の前にどうぞ」

大きな全身鏡の前に移動し、見違えた姿を映す。

「わぁ……、ってミサカはミサカは言葉も出ない…。わぁ…」

青と紫を基調としたシルクのドレス。ところどころが白いレース生地でアクセントされている。裾は膝までで、歩くとスベスベの裏地が太ももを擦って気持ちいい。

「まぁまぁ本当に、本当に…っ」
「これで一方通行様もメロメロでございますね」
「………」
「あらかわいい、まぁかわいい。御坂様ったらお顔が赤いですよ。ドレスが青いのですぐわかりますよ」

はやし立てられて、さらに言葉が出ない打ち止め。今までの、どの自分よりもゴージャスで大人っぽく見える。この姿で、もうすぐ一方通行の前に立つのかと思うと、緩みかけていた緊張がぶり返してきた。

「でも、ちょっと楽しみかも。あの人とのデートが、いつもと違うものになりそうな予感」
「やっぱりこれからデートなんですね!?」
「素敵!」
「これはやるしかありませんわ」

「やる、って何を」と聞いても答えてもらえず、テンションの上がった店員は紅潮した顔で打ち止めを椅子へ座らせ、何やら慌ただしく動き出した。




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