823:ブラジャーの人[saga]
2012/02/15(水) 21:20:02.93 ID:hHAsBREZ0
「あなた、お待たせ」
「……おォ、すっげェ待ったぞ。コーヒー二杯も飲ンじまったじゃねェか」
「えへへ、ごめんね。でもおかげでご飯に丁度いい時間になったよ、ってミサカはミサカは怒りを逸らしてみる」
「……えらいめかし込ンできたなァ。誰だオマエは」
「あなたのかわいいミサカだよー」
一瞬だが、一方通行が大きく目を剥いて肩を震わせたのはしっかり確認できた。待たせてしまった甲斐があったというものだ。
入店した時とはまったく違う、砕け過ぎた女性店員達の笑顔。それと、顔を寄せ合って囁き合う男性店員。うんうん、と髭を撫でて目配せを送ってくる店長。
そして大変身を遂げた打ち止め。ドレスは良く似合っている。
髪はフワフワくるくるにカールされ、いつもは控えめで実感できないが、本格的メイクがバラ色の頬を際立たせていた。
何もかもが、くすぐったい。一方通行はそっけない態度で「行くぞ」と一言。勝手に腕を絡めてくる少女に見せかけだけの舌打ちをして、店員に支えられたドアをくぐった。
雨は先程と変わらない強さを保っていた。駐車場には、ありがたいことに屋根がある。そして、これから向かうレストランも、もちろん駐車場には屋根がある。というか、地下だ。
「雨には濡れねェが、飯食う時に汚すかもなァ?」
「むむ、そうやってミサカにプレッシャーをかける気だな?ってミサカはミサカはその手にはのらないと粋がってみたり」
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