953:ブラジャーの人[saga]
2012/03/06(火) 00:58:44.87 ID:5vzdayXZ0
一方通行は、自分がどれくらい寝ていたか知らないが、外はもう暮れ始めていることから、三〜四時間だと推察した。
きっと打ち止めは、その間ずっと座って付き添っていてくれたのだろう。今ベッドに寝るべきは、自分じゃなくて彼女である。
青年は体を起こし、ベッドから降りようとした。
「もう、無理しないで、ってミサカはミサカは痛みで思わず泣きそうなあなたを押しとどめてみたり」
「泣くか、アホ」
一方通行を寝かせようと、立ち上がった打ち止めに肩を押さえられる。そこで、ふと少女が座っていた椅子に視線が向いた。
いつものパイプ椅子じゃない。両側に肘掛けがついた、革張りの豪勢な回転椅子だった。
しかもクッションが敷き詰められ、大きな座面全体をすっぽり覆っている。
「あ、この椅子? 下位個体達が持ってきてくれたの。なんかエライ人の部屋から失敬してきたんだって」
「……………」
(そりゃ当ォ然バレるよな)
身重の打ち止めを気遣っての対応だろう。椅子を無くした誰かさんには申し訳ないが、一方通行にとってはありがたいことだった。
これで、妹達全員に知れることになったわけだ。意識を失わなくても、どうせ明日にはここに来て明かすつもりだったから、さしたる予定の変化はない。
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