過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:2
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/30(日) 01:06:42.66 ID:F+67KNi+o
 ……いや、言わせなかったのは僕の方だ。
 夜子はもしかしたら言おうとしてた時もあったのかもしれない。
 けれど僕は夜子に何も言わせなかった。

 ……怖かったんだ、きっと。
 僕が何を言っても、恐らく夜子は聞き入れてはくれない。夜子は我斎の為に生きて、死ぬ。
 その事実を知ってしまうのが、たまらなく怖かったんだ。

 それなのに、どうして僕は未だに知りたがっているのだろう。
 夜子が我斎に尽くす理由。命をかけてまで仕える理由。
 一年が経った今でも、僕は、どうして夜子の――――

央輝「…………つ。おい、和久津!」

智「っ!」

アヤヤ「だ、大丈夫ですか、智先輩……?」

 央輝の一喝で、僕は現実へと引き戻される。
 周りの四人の注目を、僕は一身に集めていた。

智「……うん、大丈夫。どうしたの?」

 僕がようやく戻ってきたのを認めて、繰莉ちゃんが代表して言う。

繰莉「今日だけじゃ結論でないから、数日後の集会までに気持ちを纏めるって事で一先ずは決まったんだけど、それでいいかなってさ」

智「うん、わかった。アヤヤ、芳守。焦らないでゆっくり考えて決めてね。一年前の約束は気にしなくていいから」

 歯切れ悪く頷く二人を確認して、その場は解散となる。
 カエサルレギオンと、アバター・ギグ。
 その二つの王国の戦争に巻き込まれて僕らはどうなるのか、僕には未だ予想などつかなかった。


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