過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:2
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[saga]
2011/11/12(土) 01:59:39.18 ID:Ol34+0Hxo
 空を眺める。
 都会の空は今日も濁っている。星は一等星が辛うじて見える程度だ。
 僕らの方の雲行きは、怪しいどころか何もかもが霧に包まれたようにわからない。
 つい先程も皆と話し合ったことだけれど、アバターギグとカエサルレギオン。ヘタをすればラウンドやその他の結社すらも関わってくるかもしれない戦争。
 どうなるかなんてわからないのが当然だった。

智「どうするかなぁ……」

 逃げる選択肢は潰した、戦う選択肢を選ぶしかない。
 そうとはわかっていても、切れる手札は一枚きり。
 皆にはその戦闘に参加するかしないかを迫っておいてなんで僕は新しい選択肢を産み出そうとしているのだろう。

智「……決まってるよね」

 ――みんなで、幸せになれますように。
 そう願ったのは一体いつのことだったっけ。
 いつのことだとしても、僕のその願いだけはきっと変わらないだろう。
 だから足掻くんだ。このどうしようもない状況でも、誰も不幸にならない未来へ歩むために。

 呪いを踏んだ時のことを思い出す。央輝に見つかった時じゃなくて、もっと昔、僕が幼かった時のこと。
 あの時は父さんや母さんがなんとかして僕を救ってくれたように思える。でなければ僕は今ここにはいないのだから。
 どうしようもない状況、少なくともあの瞬間の僕はそう思っていた。だけど救われた。だから、どうしようもない事なんてないはずだ。
 ……央輝のお父さんや、あやめ先生は駄目だったけれど。それでも、あの時の僕らがもっとうまく動いていれば問題はなかったはずだから。
 あの時のような後悔をしないために、僕は今成すべきことをしよう。

 戦争で不幸な人を出さないようにするために。
 みんなで、幸せになる世界へと向かうために。


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