過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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30: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/04(火) 02:52:07.51 ID:oDJk8X6O0
「インキュベーター、折角来たのなら、グリーフシードを回収してくれないかしら?」
転校生が投げ遣りな口調で金髪の少女に呼び掛けると
「君は僕の使い方が荒いね。これも役割だから引き受けるけど」
さっきとは全然別の声で返事が返ってくる。口も全然動いてないし、腹話術?
と思った次の瞬間、抱かれていたへんてこりんな動物のぬいぐるみが動き出し
車の往来の激しい道路のど真ん中へと飛び出していった。
何あれ?生きてるの?てか……すっごく危なくない?
「キュゥべえが見えている――やはり資質を持った子なのね」
え?あの生き物――キュゥべえ?が見えると特別なの?
確かに驚いてブレーキを掛ける車は一台も無いけど。
そのキュゥべえは反応良く車の下を潜り抜けながら、口で何かを拾い集めている。
「資質って?」
「魔法少女になって、報われない戦いの定めに身を投じ
誰にも気付かれずに死んでいく権利があるってことよ」
あたしが魔法少女に?やったー!ラッキー!!とかいう思考を許さないくらいに
物凄く毒の有る答えが転校生から返ってくる。
「きつい言い方だけど、確かに間違いではないというか、その通りなのよね」
それに金髪の少女が同意する展開。
……えーと、戦いの定めは正義の味方の義務だとしても、愛とか夢とか希望は?日曜朝のお約束は?
報われずに人知れず死んでいくとか、魔法少女って隠密か何かの別名ですか?
そんなことを考えていると、仕事を終えたのかキュゥべえが戻ってきて
屈み込んだ転校生の手の上のハンカチに、黒色の四角い粒を幾つか吐き出す。
あれがグリなんとかか。さっきの巨人が落としたんだろうな、多分。
それからあたしの方を向いて、口を開――かずに喋りだす。
「規則だし、君には魔法少女について全て教えてあげるよ。
この街には既に優秀な魔法少女が二人居るし
これ以上増やしても効率は余り上がらないんだけどね」
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