過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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37:視点:美樹さやか ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/07(金) 02:12:37.86 ID:t06ma3WT0
「着いたわ。ここが私の家よ」
夕暮れの赤い日差しの中、マンションの一室の前でマミさんが足を止める。
ドアの脇の表札には『巴マミ』の文字、ただその名前だけ。
「マミさんって、一人暮らしなんですか?」
扉を開けるマミさんの手が一瞬止まる。
「ええ、ちょっとした事情でね」
――あああ、またあたし地雷踏んじゃったろうか。
「だから、気兼ねせず上がって」
変わらない慈愛の微笑みに、口から先に生まれた自分を猛省するあたし。
「お邪魔するわ」
そのあたしを尻目に、ほむらはごく自然にずかずかと上がっていった。
通されたのは落ち着いた暖色系の色合いで統一された、綺麗に片付けられた素敵な部屋。
あたしがキョロキョロと色々見回している間に
ほむらとエリは部屋中央の三角形のテーブル、その一辺に並んで座っていた。
「おもてなしは――ラスクと紅茶でいいかしら?」
「あ、はい。あんま気を使わないで下さい」
あたし達の前に、ラスクを盛った籠が置かれる。
この辺では有名なお店の、しかも季節限定のプレミアムなやつのセット。
「種を明かすと、昨日真矢さんのお母さんから貰ったものなんだけどね」
「お世話に、なりますから」
「気にしなくていいのに――
それじゃ、紅茶はもう少し待ってね。蒸らし具合が重要だから」
あたしが一種類ずつラスクを確保し、封を開けている間に
部屋は、淹れたての紅茶の心地よい香りに満たされていた。
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