過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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46: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/07(金) 02:25:23.90 ID:t06ma3WT0
「もう説明する内容も残り僅かだし、敢えて止めなかったけど
 そろそろ最後の項目――『円環の理』について、話してもよいかしら?」

『円環の理』……?何だろう、どこかで聞いたことがあるような気がする。
んー、なんかよく分からない、懐かしさだか寂しさだかを感じるし
昔好きだったアニメかゲームの中のフレーズだったのかな。

「あ、ごめんなさい――また脱線してしまったわね、私」

「いえ、いつもであればもう少し聞いていたいんだけどね。
 貴方達の会話って、かなり興味深いし」

うーん、あの電――高度な内容についていけるなんて、流石はマミさんだ。

「じゃ、締めくくりの説明を始めるわね。
 『円環の理』――魔法少女の辿る運命の最期について」

う……運命の最期とか、また聞きたくもない言葉が……

「魔法を使えば、ソウルジェムに穢れが溜まっていく。
 穢れを祓うには、魔獣を倒し、グリーフシードを集め続けるしかない。
 では、それが出来ずに、穢れが溜まりきるとどうなると思う?」

魔法が使えなくなる……とか?
いや、今までの流れからして、そんな生易しいことである気は全然しない。
魂だし……やっぱり死ぬとか……って、いや、まさか?

「まさか……自分が魔獣になっちゃうとか!?」

「キュゥべえによるとね、実装前の理論予想ではそれも有り得たらしいのだけど」

マミさんが左手にソウルジェムを乗せ、右手で撫でる。
ほむらの時と同様に、それは何処かへと消えてしまった。
――あ、そうか。消えたんじゃなくて、中指の指輪になったのか。

「正解はね、ただ消えてしまうのよ。肉体も一緒に、跡形もなく」

「ええと……それってやっぱり、死ぬってこと――ですよね?」

「――そうよ」

力を使い果たしたら死んじゃうのか……
しかも体まで消えちゃうって、下手すると死んだことにすら気付いて貰えないのか。
ああ、ほむらの言っていた『誰にも気付かれずに死んでいく』って、そういうことなんだ……

「何でも望みが叶う、その代償は安くはないのよ。
 希望は等価の絶望と、常に隣り合わせなのだから」

ほむらが語り始める。物凄く重く、真摯な眼であたしを見据えて。

「だから、希望で始まった祈りが、絶望による呪いへと相転移する前に、私達は消え去る。
 それが『円環の理』に導かれるということ」

希望と絶望、祈りと呪い――
よく分かんないけど、願いを叶えたことの真の代償が、『円環の理』による消滅ってことだろうか。

「あまり優しくはない魔法少女システムの、最後の救いよ」



誰にも知られず、この世界から消え去るのが、どうして救いなんだろうか。
まるで理解は出来なかったけれど、そう言って目を閉じたほむらは
今日屋上での彼女を思い起こさせる、とても寂しく物悲しい表情をしていて
あたしはもう何も、聞くことが出来なかった。


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