過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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56: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:22:43.23 ID:oIK4Qu7A0
(……)
先程から、全然会話が無い。
巴先輩は、向こうから色々話し掛けてくれたのだけど。
(私から、話し掛けてみろってことかな……)
「あ、あの……今日は、いい天気、ですね」
振り絞った、勇気。
……それで、この程度の切り出しが限界な私。
「そうね。空の青さがとても綺麗だわ。
その分、気温は低めだけれど」
また、しばしの沈黙。
……ああ、駄目だ、こんなんじゃ駄目だ。
私、頑張れ。
「え、えと――先輩は、もう三つ編みには、戻さないんですか?」
「三つ編みの私の方が、好きだった?」
「いえ、今の方が素敵だと、思います。似合ってるし、格好いいし――」
「格好いい、か――」
一時先輩の足が止まり、晴れ渡った朝の空を見上げる。
「私は、ただの張りぼてよ」
髪をふわりとかき上げ、また先輩は歩き始める。
「だから、私なんかに憧れるよりも、貴方自身が格好良くなることを考えなさい」
――え?
――私が、格好良くなる?――
「……私には、無理です」
格好良い自分なんて、全然想像もつかない。だって、私は
「人付き合いは、苦手だし、運動も全然、駄目だし……」
自分に自信を持ったことも、自分の能力を信じたことも
「ただの、引きこもり、だし……」
ただの、一度だって、無いのだから。
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