過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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6:視点:巴マミ ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/03(月) 23:42:43.84 ID:mLlw9Zym0
「手助けが必要かい?巴マミ」

季節外れの雷の夜。不夜城たるこの街とは思えない程の深い闇に沈んだ、水と緑の通学路。
私の背後で、良く知った声がする。

「――意地を張れる状況ではないわね。お願いするわ、佐倉さん」

久し振りに聞く、良き好敵手の声。

「オッケー。グリーフシードは山分けでいいな?」

私の言葉が終わらぬうちに飛び出した彼女は、もう白い巨人――魔獣を1体、仕留めている。

「良いわよ。貴方の腕が落ちていなければ、ね」

こちらもまた、2体の魔獣に止めを差す。かつての弟子に後れをとるつもりは無い。



稲妻、少し間を置いて雷鳴。
目の前の闇に浮かび上がるのは、有り得ない数の魔獣の群れ。
ざっと見た範囲でも、50体は下らない。
しかもその数は、未だ増えている。新たな魔獣が続々と湧きつつある。

閃光。佐倉さんの槍が、数体の魔獣を祓う。
轟音。私の銃弾が、幾体かの魔獣を屠る。
あの日以来、一年ぶりの共闘。



そして一時、二人の背が重なる。

「にしても尋常じゃねーな、この瘴気、この数は」

「『All Hallows' Eve』よ」

「命名:巴マミ、か」

「失礼ね。正式な名称よ」

「知ってるよ。アタシも聞いたことあるしな」

「……さて、無駄口はお仕舞い。
 それとも昔みたいに、細かい戦術指導が必要かしら?」

「へっ、そっちこそ、アタシの足を引っ張るんじゃねーぞ?」



雷光と共に逢瀬は終わりを告げ、それぞれはまた、自らの獲物に向かって駆け出した。


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