過去ログ - キャーリサ「明日も、大好きな彼と」
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162: ◆7oWiJj9WF6[saga]
2011/10/15(土) 00:57:26.04 ID:SeNP4vNY0
その光景は、誰もが目を疑った。
瞬時にレイチェルの手を裁こうとしたキャーリサの腕を抑えたのは、他ならぬキャーリサ自身の片腕だったからだ。


レイチェル「……きゃ、キャーリサ様、何で……」


キャーリサ「……叩かれるのは、ヴェントにされて以来、か……」


そう言ってほほ笑んだのは、自分への嘲笑だろう。


アニェーゼ「……え、えと、キャーリサ殿下、大丈夫ですか!」


自体の深刻さに気付いたアニェーゼはいち早くキャーリサの頬に手当てを行おうとするが、
彼女の行動はキャーリサ自身の左手により抑止される。


キャーリサ「……すまなかったし。姫として接するのではなく、友から大事なものを奪った一人の人間として扱って欲しくて。
心にもないことを言った。すまない」


レイチェル「……っ」


キャーリサ「……しかし、私だって。何の苦もなく。彼を慕ったと思っているのであったら、それは訂正してほしいのだ」


キャーリサ「……禁書目録にとっての彼と同じように、私にとっての彼だって、……命より大切な人なんだ」


上条「(きゃ、キャーリサ……?)」


レイチェル「……」


キャーリサ「はは、私も、自然と涙が出てくるのは……久々だな」


そう言って、キャーリサはレイチェルを抱きしめる。
優しく、片手で、包み込むように。


レイチェル「……な、なんですか。別に私は……」


キャーリサ「……友のことを気遣い、行動した貴様は凄いよ、レイチェル。
……それでも、当麻は渡せない。絶対に。絶対だ。それこそ、命に代えても」


レイチェル「……」


レイチェル「……そう、ですか」



英国第二王女の胸にうずまる少女から、嗚咽が治まることはしばらくなかった。
誰も彼女に話しかけることは無く、空間自体が押し黙らせているような錯覚に陥らせた。



上条「……」


上条「(……俺……、絶対に……)」


上条当麻の中で改めて決意が固まったのも、その時であった。


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