過去ログ - 上条「なぁ。教えてくれよ。名前」一方「……忘れたっつってンだろ」
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14:1[sage saga]
2011/10/12(水) 22:01:27.68 ID:cvck9Pzu0









『とある少女と木原数多』



木原数多がその検体と関わったきっかけは、単なる偶然とも言えたし、必然でもあった。

検体の能力開発を行うことが出来る研究員なら誰でもよかった、という意味では偶然。

とんでもないことをやらかして、誰も引き受け手がいなかったから、たらい回しにされて最後に行き当たったらしい、という意味では必然。

木原は、能力開発の研究のためならそこそこの寛容さを発揮する。検体をくれるもんなら貰うまで。

今までにも扱い辛い「問題児」を送り込まれ、適当に開発して成果を上げていた。

「はぁ……。どうせロクでもねぇガキだろ」

ただし色々面倒くさい。

「まだわからないじゃないですか。何でか資料貰ってませんけど、素直でかわいい子かもしれませんよ?」

研究所の廊下をダラダラ歩きながら肩を竦める木原に、助手の研究員が苦笑する。

「バァカ。性格の話なんざしてねぇよ」

「は?」

どうせ、たいした理解力も演算能力も持ち合わせていないだろう、という意味合いだったが、説明してやるほど親切でもない。

実験動物の人格などどうでもいい。モルモットの嗜好は実験統計処理の際の参考にするだけだ。

数日前に回された助手はまだ若い男で、研究に夢や希望を持ち、そして未だ木原の人間性を理解していなかった。

見慣れた無機質な廊下を進み、連絡のあった部屋に入ると、隣の助手がビクリと竦んで後ずさる。


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