過去ログ - 上条「なぁ。教えてくれよ。名前」一方「……忘れたっつってンだろ」
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24:1[sage saga]
2011/10/12(水) 22:10:10.45 ID:cvck9Pzu0

『…………』

「お前はそれでも、無傷でいられるかもしれない。
核弾頭だって跳ね返すことが出来るかもしれない。
でも、それで?その後お前はどうする?世界に一人っきりで」

『………っ』

小さな唇が噛み締められる。

木原は、自分の言葉がこの子供の予測を正確に突いたであろうことを確信した。

(マセたガキだ)

少し苦笑する。十歳にも満たない子供の思考ではない。

こういう結論を出したから、一ヶ月前の騒ぎの後、おとなしく暗部に従っていたのだ。

頭の良い怪物は、さぞや生き辛いだろう。木原の知ったことではなかったが。

「人間は社会の中でしか生きられない」

たった今脳内で「怪物」と表現した子供を、木原は「人間」だと断じた。
生物的にはそうカテゴライズされるのだから、抵抗はない。

「缶コーヒーひとつだって、人間社会の中に入っていなければ手に入れられない」

『…………』

「コーヒーの木育てて豆収穫してってとこからやりてぇか?
やりたくねぇよなぁ。俺だってまっぴらゴメンだ」

木原は備え付けの冷蔵庫から缶コーヒーを取り出して、プルタブを開けて一口飲む。

名前が書いてあったが、そんなことはどうでもいい。

「お前にとって幸いなことに、ここは学園都市。世界で一番能力者に理解がある街だ。
お前はここで生きるのが一番楽だと、もうわかってんだろ」



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