14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/09(日) 01:51:20.89 ID:IY+XuREbo
そう思っていたのに。
「――よりによってアンタがそれを言う?」
ぴしり、と。
何かに亀裂が入る。
御坂の声色にも、表情にも変化はない。
だが一瞬だけ――彼女の気配とでも呼ぶべきものが変質したのを垣根は間違いなく感じ取った。
「ああ、そうだ」
刹那の変化が錯覚だとでもいうように御坂は変わらぬ調子で微笑を垣根に向ける。
けれど暗がりの向こう、可憐な花のような笑みの中、薄く細められた目だけがまるで無明の穴のようで。
「アンタにもさ、一応。訊いておかないと」
僅かに上げられた口の形はまるで罅割れのよう。
「先週、独立記念日にさ。一方通行と戦ってビルぶっ壊したのってアンタで間違いないわよね」
「……どういう意味だ」
「そのままの意味よ?」
寒気がするほど儚げな笑みのまま、御坂は矢張り何が分からないのかと首を傾げる。
「アンタよね? それ以外に思いつかないし」
「――そうだよ」
頷いた。
「俺が一方通行を叩き潰した」
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