過去ログ - 御坂「もう、いいや」
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/17(月) 02:30:44.04 ID:UVpNHGeEo
「アンタ、人の事舐めすぎ」

返礼とばかりに光の一撃が空間を切り裂く。

先程の雷撃の道を導体としてローレンツ力により放たれたコインが暴力の塊と化し穿たれる。
初動の大気摩擦はない。稲妻の道により割られた刹那の真空を弾丸は元の形状を維持したまま疾走する。

そして炸裂点から広がる大気の壁を突き破り、同時に燃え上がった合金は液状を瞬時に通り越す。
一瞬の閃光を放ちその様を気体へと変貌させたコインは激熱を振り撒きながら垣根へと喰らい付いた。

「ハッ――!」

呵々と共に払われた翼が気炎を砕く。
局地的な暴風と化した周囲の大気に巻かれた気体金属はその身を四散させながらも更なる熱膨張を生み夜空に爆炎の華を咲かせた。

「これが本家の超電磁砲かよ! 言うだけの事はあるじゃねぇか!」

宙を舞う垣根は荒れ狂う空を邪魔だとばかりに背後へ打ち、夜空を駆けた。

後に残されたのは無数の白い欠片だ。
その一つ一つが絵に描いたような羽毛の形を取ってはいるものの、大気の波に翻弄される様子もなく確かな速度と共に御坂へと降り注ぐ。

その様は正に絨毯爆撃と言うに相応しかった。
ビルの屋上一面に突き刺さった白は破壊の雨となり建物を三階分、周囲を含めて微塵にする。

だがそれら全てが御坂を捉えていない。
ビルの森の頂を波間に踊る魚のように身を躍らせる。

爆音を背後に御坂は翔ける垣根を追い、隣のビルへと意識を伸ばす。
電磁波による解析は即座に完了し、目標となる鉄骨を見えない腕で掴み強引に引き寄せる。

引かれたのは御坂自身の身体だ。少女一人とビル一つ。質量差は言うまでもない。

抵抗せず引力に任せ、黒衣を翻し超高速で跳躍する。
そして即座に解除し次のビルへと。連続で引き寄せ多段式に加速してゆく。
吹き付ける風は身に纏った雷光が払い除ける。僅かに掛かる風が髪を靡かせた。

風雷を伴い黒天を切り裂く白の翼を追い疾走する。


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