6: ◆7oWiJj9WF6[saga]
2011/10/11(火) 13:45:01.56 ID:/SDewwSZ0
朋也「……それじゃ、行ってきます」
「……」
誰の返答も無い挨拶をして、自分でも古めかしいと思える家を出る。
誰もいないわけじゃない。ただ、絆や信頼なんて無いそこには、温かみのある言葉なんてものは存在しない。
何でわざわざ学校へ向かうのか。
行ったところで何の目的もないのに。
好きな時にサボり、好きな時に寝て、好きな時にどこかへ行く。
友達なんていらないし、高校に入ってから欲しいと思ったこともない。
学校に入ってから同じクラスの人間と話した数なんて、ほとんど数えられる程度。
俺は、つまらない人間だ。それは認める。
ただ、面白い人間になるなんて気慨もない。
朋也「……」
普通は通学路として、特別な情を抱いてもいいはずの通学路。
いつもいつも歩いているこの駅前の道も、
高校の住み込み寮へと通じているこの分かれ道も
学校の校門へと続く、邪魔ったるい坂道にも
俺は何の思いも抱いてはいなかった。
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