過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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◆h4ONJivhRc
[saga]
2011/10/28(金) 23:18:59.47 ID:DA3BiRXZ0
「キョーコ……」
心配そうな顔で、こちらを見上げるゆま。
仕方ない、と溜息をつきながらその頭にぽん、と手を乗せる。
「あたしは今、ここにいる……生きてお前の前に居る。それじゃあ、不満かい?」
手を乗せられた頭を、ふるふる、と横に振った。
ふ、と小さく笑みを漏らしながら、ぽんぽんと頭を軽く撫でる。
「随分と、仲良くなったのね」
「……悪いかよ」
「いいえ? 悪くないと思うわ」
その通り、なのだろう。
現にその声は優しかった。
「とにかく、消毒ね……救急箱は確か、」
そう言って、奥に歩いていった。
ゆまが手をぎゅう、と握ってくる。
それに応えて、軽く握り返した。
やはり、その手は暖かかった。
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