過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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267: ◆h4ONJivhRc[saga]
2011/11/08(火) 22:44:03.47 ID:xUs+d3m00

結局、そういうことだったのだ。
さやかを求めることも、ゆまを求めることも、幸せだった過去を求めるという点で同じ。
自分は家族が死んだあの日から、全く進んでいなかったのだ。

ようやく、理解した。

ゆまに与えている愛情、とでもいうものは。
さやかに与えるはずのもので、その対象が消えて、行き場を失っていたもの。
さやかに対する想いを、そのままゆまに向けているのだ。

そしてその根源は、さやかに向ける感情でも、ゆまに向ける感情でもない。
ただ、過去の幸福を夢見る独りよがりの感情。

そもそも自分は、二人と向き合えていなかったのだ。
二人を過去の幸福の象徴として、二人自体を見ていない。

さやかもゆまも、自分に感情を向けてくれていたというのに。
自分の感情はただの類似品で、偽物だった。



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