過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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◆h4ONJivhRc
[saga]
2011/10/14(金) 20:47:20.49 ID:p2kapb3X0
今度の原因は、重心だ。
重さの釣り合いがついている場所を掴まないと、些細な揺れで落ちてしまう。
もっとも、これらの問題は慣れている杏子には有って無いようなものだ。
経験でカバーできる上に、アームの問題を考えなくていい分楽である。
そんな杏子にとって、この体たらくは見ていられないものがあった。
「ったく、しゃねーな……」
溜息をつきながら、杏子がゆまに歩み寄る。
「ホラ、代われ……取りたいのは、アレでいいんだな?」
「……ん」
「よしきた」
ゆまが頷くと、杏子の眼が鋭くなる。
目の前のことに、全力をそそぐ。
たとえ、杏子にとってどれだけ容易だったとしても。
容赦も、遠慮も、妥協もしない。
―――そして。
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