過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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9: ◆h4ONJivhRc[saga]
2011/10/13(木) 14:38:44.08 ID:psu+yEAd0

一時間は経っただろうか。
否、数秒に過ぎないかもしれない。

しばらくして、ほむらが立ち上がった。

「……帰るわね、もう、夜も遅いし」

本音がそうでないことは、傍目にも明らかだった。
一人で考えて、泣いて、そうして疲れて寝てしまいたい。
自分ひとりで、心を落ち着かせたい。

そんな時には支えてあげなければいけない。
そう思っても、マミには出来そうも無かった。
自分だって、変わらないくせに。

呼び止めようと伸ばした手は力を失って、だらり、とぶら下がった。

「―――あたしも、帰るよ」

杏子も、顔をマミの方へ向けず立ち上がる。

いつもなら泊まっていきなさい、とでも言えただろう。
けれど、無理だ。

拒絶されただとか、深い溝があるとか、そういうものではない。
ただ、自分にそうする余裕が無い、というだけの話だった。

ゆっくりと、ドアが閉まる音だけが響いた。



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