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2011/11/03(木) 21:40:40.62 ID:vLsR+zZF0
だが、それも一瞬の事で、次の瞬間に美琴の前にいたのは、変わらずにお茶らける気ままな風来坊でしか無かった。
そんな人物に一瞬でも警戒心を抱いた自分に呆れながら美琴は二度目の嘆息をする。
「……さて、と」
一息ついて、トレインが立ち上がる。
今度は何を始める気かと見つめる美琴を尻目に、近くにあったゴミ箱に空き缶を捨ててトレインは美琴の方へ向き直った。
「俺もそろそろ行くわ。ジュース、サンキューな」
「何か用でもあんの?」
「いやそーいうわけでもねーんだけどさ。折角来たんだし色んなトコ見て回んないと損だろ?」
「そりゃまぁそうかも知んないけど……観光地じゃ無いんだし面白い所なんてそんな無いわよ?」
「そーでも無いって。知らねー街をブラッとすんのもいいモンだぜ?」
「ふーん……」
イマイチ理解できないという表情で美琴は呻った。
「ま、そーいうワケだからよ。じゃあな」
そんな美琴を残して、トレインはさばさばした様子で去って行く。
一人残された美琴は、居心地の悪さと口にできない違和感を抱えて溜息を吐いた。
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