126:1
2011/12/24(土) 23:28:29.21 ID:MsIdTHw00
 「そんな離れて攻撃できんのかい?」 
  
 トレイン=ハートネットは迷う事無く振り返り、その金色の瞳が黒子を射抜く。 
  
 推測が外れたショックと、その視線が孕む威圧感に、思わず黒子は後ずさった。 
  
 「あなた……一体どういう能力者ですの?」 
  
 思わず、そんな言葉が口を衝く。 
  
 「いやー俺にゃ瞬間移動したり雷出したりはできねーな」 
  
 しかし、どこか縋る様な色のあった黒子のその言葉に、トレインは笑いながら否定とも肯定とも取れる言葉で応じた。 
  
 そして、その一言はトレインが思った以上に黒子の心を揺さぶる。 
  
 (読心……?) 
  
 まさかとは思う。 
  
 しかし完全に否定する事が出来ない。 
  
 空間移動を終えるまで反応しなかったのは、自分の認識に齟齬を起こす為かも知れない。 
  
 『雷出したりはできない』という言葉は、自分の思考を読んでの物かも知れない。 
  
 悪い方向にばかり思考が噛み合い、黒子の明晰な頭脳は今や彼女を助けるどころか、その行動を縛り付けてしまっていた。 
  
167Res/100.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。