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2011/12/24(土) 23:36:39.12 ID:MsIdTHw00
トレインの追撃は無い。
それを確認して、黒子は彼のとった二つのリアクションを思い返す。
黒子が袖を掴んだ時。眼前に空間移動した時。
トレインは『驚いた』。
それはつまり、黒子の行動がトレインの予想の範疇を越えたという事。
そしてそれは、トレインが彼女の行動すべてを見抜いているわけではない事を示している。
些細なことではあるが、それでもその事実は黒子の頭を冷静にするに十分な物だった。
警戒した様に動かないトレインに向かって、黒子が駆け出す。
間合いを外し、タイミングをずらす。
ありとあらゆる角度から、ありとあらゆるタイミングで繰り出される黒子の攻撃に、完全に攻守が入れ替わった。
が、防戦一方でも、トレインの反応は凄まじい。
後手に回っても対応しきれるその反射神経は、一撃足りとも黒子の打撃の直撃を許さない。
一方的な様相とは裏腹に、その内実は拮抗していた。
だが、それでも黒子に焦りは無い。
黒子の姿が再び消える。
瞬間、トレインは身構えて、黒子の姿が現れない事に気付き、硬直した。
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