72:1[sage]
2011/10/28(金) 02:59:43.54 ID:GklwqiGC0
 人気の無い建物内に、革靴とリノリウムが擦れる音が響く。 
  
 一切の人の気配を感じないフロアを見渡して、涙子はゆっくりと足を止めた。 
  
 少し乱れた息を整えていると、自分の物では無い足音が二つ、近付いてくる事に気付く。 
73:1[sage]
2011/10/28(金) 03:00:24.93 ID:GklwqiGC0
 「それはそれとして、何だって一人で探しに来たりすんだよ。状況分かってんだろ?」 
  
 「……ごめんなさい」 
  
 「……? な、何か調子狂うな」 
74:1[sage]
2011/10/28(金) 03:01:05.17 ID:GklwqiGC0
 「み、皆さん?」 
  
 その時掛けられた第四者の声に、その場にいた全員が声のした方向を振り返る。 
  
 そこには、三人に注目されてやや面食らった様子の初春が立っていた。 
75:1[sage]
2011/10/28(金) 03:01:39.27 ID:GklwqiGC0
 「離れろっ!!」 
  
 初春が最悪の事態を理解すると同時に、トレインの発した大音量が響き渡る。 
  
 その瞬間、金属音と共にぬいぐるみの中心が歪む。 
76:1[sage]
2011/10/28(金) 03:02:32.47 ID:GklwqiGC0
 短いですが、本日分の投稿を終了します 
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/10/28(金) 19:10:54.95 ID:JJqvnbFRo
 良いところで……! 
  
 乙 
78:1
2011/10/29(土) 00:00:03.08 ID:jBTI75i60
 本日分の投下を開始します 
79:1
2011/10/29(土) 00:01:02.92 ID:jBTI75i60
 轟音と共にガラス戸が吹き飛ぶ。 
  
 突然の爆発に騒然とする群衆の中で、介旅初矢は自身の能力の発動を確認して一人ほくそ笑んだ。 
  
 そのままゆっくりとその場を離れ、人気の無い路地へと入って行く。 
80:1[sage]
2011/10/29(土) 00:01:47.07 ID:jBTI75i60
 その瞬間、言い様の無い浮翌遊感を感じた。 
  
 「あがっ!?」 
  
 衝撃に身体が捻じ曲がり、肺の中の空気が押し出され奇妙な声が口から洩れる。 
81:1[sage]
2011/10/29(土) 00:02:31.53 ID:jBTI75i60
 「あら、ごめんなさい。『逝った』とか随分物騒な言葉が聞こえたものだから」 
  
 「ああ……いや、ほら。外から見てても凄い爆発だったからつい、ね」 
  
 話しながら、介旅は気取られない様にゆっくりと、尻ポケットに忍ばせていたスプーンに手を伸ばした。 
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