過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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21:ny[saga]
2011/10/19(水) 21:15:14.84 ID:oNEfTHUU0

「ここで『ポルナレフ』の言う『てめえ』。
『アイリス』ではない、別人格。
この別人格こそがポイントだと思うんです」

「第三の人格……って事か」

「そうです。考えてみてください。
明らかに『ポルナレフ』の精神力は『アイリス』の精神力を絶対的に上回っています。
ですが、アイリス。いえ、今は『イリス』と呼びましょう。
『イリス』の身体を支配しているのは『アイリス』です。
これはどういう事なのでしょう?」

「『てめえ』が『ポルナレフ』を抑え込んでいる?」

「恐らくそうでしょう。
それと『ポルナレフ』は『てめえはいっつも俺の邪魔ばっかしやがって!』と言っています。
つまり、『てめえ』が『ポルナレフ』をずっと抑えつけていたのでしょう」

「それじゃあ、その第三の人格と接触出来れば、『アイリス』を救える?」

喜んだ表情で大神は言った。希望が見えてきたのだ。当然だ。

「それを人格統合……と言います。
第三の人格と協力して、アイリスの人格を一つに統合出来れば、帝都の危機、アイリスの危機は消えます」

「そっ、そうか!
じゃあ、早速実行……」

「待って下さい!」

マリアが大神の肩を掴み、
最も言い難かったのだろう事を言った。

「この方法には大きな問題があります」

「大きな問題だってっ?」

「例の友人が教えてくれたのですが、
解離性同一性障害は白人の女性が80%以上を占めているそうです。
その内、幼少時に虐待を受けていた人が殆どです」

「それが……?」

「『第三の人格』、『アイリス』、『ポルナレフ』は幼少時の虐待の記憶は殆どないでしょう。
『第三の人格』は『ポルナレフ』を抑え込めるほどですし、
『ポルナレフ』にしても虐待のトラウマ程度で、今更衝撃を受けるような人格ではなさそうです。
『アイリス』も少し憶えているだけ。
つまり、もう一つ大きなトラウマを抱えた、第四の人格があるはずなんです」

「第四の……人格だって……」

「今回、『ポルナレフ』を発現させる隙を作ってしまった、第四の人格。
恐らく、それこそがアイリス本人……、主人格の『イリス』です」

「『イリス』っ?」

「勿論、本人であると言う確証はありません。
ただ、これだけは言えます。
私達のよく知っているアイリスは、『アイリス』であって『イリス』ではないと」

「『アイリス』が本人じゃないっていうのかっ? 殆ど前面に出てるじゃないかっ!」

いえ、とマリアは言った。
大神は認めたくなかった。認めるのを拒否しようとした。
だが、マリアは残酷に続けた。彼女自身辛いだろうに。

「前面に出ている人格はホストといって、本人である必要はないんです。
例の知人もそうでした。
そして、きっとその事は『アイリス』も気付いているんじゃないでしょうか」

「『アイリス』自身が……?」

「『アイリス』は自分の事を『イリス』と呼ぶのを好みません。
些細な事ですが、それこそ、彼女が自分を『イリス』本人でない事を、気付いている証拠ではないでしょうか?」

「『アイリス』が本人じゃない……」


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