過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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『Her Knight in Their Nights』
◆k6VgDYkyGI
[saga]
2011/10/21(金) 20:50:29.88 ID:aYv84ioOo
姫の潤った、艶めかしい唇が動いて、静寂を破った瞬間、私は言葉を失った。
私の唖然とした顔を見て、姫も失言したと思ったのだろう、その顔は刹那に青ざめた。
はっと我に返った私は、可能な限り動揺を押さえつけて弁明した。
「申し訳ありません、姫様」
「いいのです。やはり無理なお願いでした。私がどうかしていました」
「いえ、是非、私をお使い下さい」
私は支離滅裂な返事をしていた。
姫は無言でうつむくと私の膝から下り、そのまま窓の方へよろよろと歩いて行った。
「姫様」
私に後ろ姿を見せたまま押し黙る姫を見て、私は悟った。
次の言葉が、今晩姫が私に告げる最後の台詞になるだろうことを。
しかし、そうしたどす黒い絶望を纏っていたという事実を考慮しても、
その後、私が取った行動は、完全に常軌を逸していたとしか思えない。
いくら姫の信頼を取り戻すためとは言え、姫をベッドに押し倒して寝間着を剥ぎ取るなどということは、
一従者に許される所行では決してないからだ。
だが、私はした。
姫が手の届かない場所に行ってしまわないように、姫の「最も信頼の置ける侍者」であるために、
私は、私自身の手で破滅への歯車を稼働させたのだ。
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