過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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56:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:30:50.96 ID:aYv84ioOo
その夜から何ヶ月、何年経ったのか、私にはもう分からない。

城にいた頃、金銭を殆ど使わなかったということもあり、持ち金は長旅に充分耐えうるほどあった。
そのため、旅費に困るということはなかったが、野盗が襲ってきた場合は、これを返り討ちにして
金品を奪いながら、私は各地を転々とした。

しっかり、唇を紅く染めながら。

そして、私は今、この机でこの物語を書いている。
もう、口紅がないからだ。
節約して使ってきたつもりだったが、この分では保って後二週間というところだろう。

この物語は誰の目にも触れられない、触れさせてはならない物語だ。
しかし、私は、最期にせめて、全てを言葉にしたかった。

頭の中にある形ない幻影でなく、文字に書き起こすことで、
確かにこの世界に存在するひとつの現実にしたいと思った。

私は間もなく誰でもなくなる。
私の中の姫が息絶え、「騎士」でなくなる。
男を知らない私は、「女」ですらない。
私の本名はすでに存在しない。

私という人間がいなくなるのだ。

だから、その前に私は、「


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