102:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:14:21.06 ID:CGXDMCHp0
「……精神世界で殺されると、現実の肉体にも多大なる影響が及ぶ。あの子達は、もうマインドスイープ出来ないかもしれない」
「無駄話をしている暇はない。早く準備に取り掛かかってください」
圭介は大河内の声を打ち消し、固まっている周囲に向けて、淡々と声を上げた。
「何をしているんです? レベル6の患者の治療には、皆さんの協力が要ります。患者に鎮静剤を投与してください。麻酔の量を二倍に。早く!」
圭介が、施術室のベッドに縛り付けられてもなお、ガタンガタンとそれを揺らしながら暴れている患者……死刑囚を見て、声を荒げる。
そこで、彼の隣に腰を下ろしてマスクを被っていたマインドスイーパー……十五、六ほどの男の子の口から、勢い良く血が噴出した。
「三番、やられました! ダイブ続行不可能です!」
「すぐに回線を切れ! 一緒に引きずり込まれるぞ!」
中で医師や看護士達が、大声で喚いている。
吐血した少年は、ダラリと椅子に脱力すると、そのまま崩れ落ちた。
「ダイブ中のマインドスイーパーを、全員帰還させてくれ。邪魔だ」
大河内に圭介が耳打ちする。
それに対し、大河内は苦々しげに言った。
「駄目だ。意識的境界線が張られていて、元に戻れないらしい」
「どうして俺達の到着を待たなかった?」
「お前達こそ、施術予定時間を三時間も遅れてどうした? それに、汀ちゃんが到底、ダイブできる状態だとは思えない」
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